覆面調査(ミステリーショッパー)とは?保存版:活用場面と成功ポイント

覆面調査ときいて、何を思い浮かべますか?どこかに潜入して悪事を暴く調査?それともお面で顔を隠して行う調査?という冗談はさておいて、実際にはどのような調査か的確に説明できる人は少ないのではないでしょうか。

覆面調査とは、調査員が「お客様」を装い(お客様のふりをして)、実際のサービスを体験して調査を行います。とてもシンプルで簡単な調査ですので、自分でやろうとすればできてしまいます。ですが、実際にやってみると、コストに見合う活用ができなかったり、社内から思わぬ反発を招いたり、と失敗も多い調査でもあります。

この記事では、覆面調査とは何か、という説明と、その必要性・上手な活用方法についてまとめました。とても有効な調査ですので、この記事を読んで是非活用してみてください!

1. 覆面調査とは?具体的な調査方法を紹介します!

最も有名な覆面調査といえば、「ミシュランのレストランガイド」ではないでしょうか。覆面調査員がレストランにいって食事をし、評価を☆の数で表します。パリ万博の時にガイドブックとして始まり、1930年代には星の数によるレストランの評価が始まったそうですので、最も古いといっても良いかもしれません。

マーケティングとしての「覆面調査(ミステリーショッパー)」は、従業員の不正を防止するために、店舗に覆面調査員を派遣したのが始まりで、徐々に顧客サービスを測定する手法として確立されてきました。1940年代にはミステリーショッピングという言葉が生まれたそうです。さらに90年代後半から市場は急拡大を続け、なくてはならない調査として定着しました。日本では、欧米から遅れて導入が進み、徐々に広く知られる調査手法になってきました。

1-1.具体的な調査方法

調査の方法は、「お客様」になって実際にサービスを体験して、決められた項目に沿って評価を行う、というものです。イメージしやすいように、レストランでの具体的な流れを下表にまとめました。

このような調査を行い、結果をレポートにまとめて共有し、顧客サービスの品質向上、CSの向上につなげていきます。実際は、業務マニュアルやお店の方針に沿ってもっと細かく調査項目が決められています。

そこで気になるのは、CS(顧客満足度)調査と何が違うの?という点ではないでしょうか。

1-2.CS調査との違い

上記の表で、CS調査との差異を整理しました。大きな目的は、どちらの調査もCSの向上であり、ひいては売上の向上になりますが、その実現のためにどのような情報を収集するのか、という点において違いがでてきます。

どちらが良い、というわけではなく、性格の異なる2つの調査が存在する、というわけです。うまく使い分けていけば、好循環が生まれます。例えば、覆面調査の結果から問題点を洗い出し、改善策を考えて実行に移します。CS調査ではその改善策の効果検証や、新たな期待の抽出等を行います。どちらかといえば、CS調査のほうが全体的・概観的なものになり、覆面調査のほうが詳細で細かい内容になります。どちらの調査もそれぞれに長所短所があり、お互いに補完しあう関係にあるといえます。

2.レストラン(飲食チェーン店)だけじゃない!覆面調査が有効な場面、活用できる場面

2-1.覆面調査の対象範囲

覆面調査は「顧客のふり」をした調査員が実際にサービスを体験して評価を行います。つまり、「顧客が体験する可能性のある場面」の全てが調査の対象範囲となります。接客業で相対してサービスを提供するレストランなどがすぐに思い浮かびますが、他にも様々な場面で有効な調査です。調査の対象となり得る場面を下表にまとめました。

ヒト 飲食店、小売店、ホテルなどのいわゆる「接客業」だけでなく、タクシーやバスの運転手、電車の駅員、コールセンターでの応対やクレーム対応、様々な「受付」、など。他には、営業マンの営業トークなどビジネスの場面もヒトになります。また、接客以外のヒトも対象になります。案内・誘導する警備員や、人前で業務を行う清掃員、先生と呼ばれる「学校や塾の先生」「お医者さん」などもヒトです。
モノ 出来上がった商品の完成具合や品質は、調査対象となります。箱がつぶれていないか、ホコリは付いていないか、仕上がりが綺麗になっているか、などを評価します。また、小売店の店頭調査として、陳列方法や配置、POP広告などもモノに含まれます。他には、カタログやパンフレットのようなモノ、ホームページも対象になります。
場所や空間 場所や空間も調査対象です。飲食店舗の場合は、席を含めた店内の雰囲気や清潔さ、トイレなどの設備面と清掃状況、厨房が見える場合は厨房も対象になります。その他にも、インテリアや照明、家具調度なども含めた空間演出方法も対象になります。BGMがある場合は、BGMの選曲や音量なども対象になる場合があります。

2-2.覆面調査が活用される場面

企業の活動は、大きく言えば全て「売上向上」「利益拡大」につながります。もちろん、覆面調査も売上向上や利益率の向上、客単価向上といった目的で行われます。しかしそれでは目的が大きすぎるために、もう少しブレイクダウンした目的をもって行われることが多いようです。

他社と差別化したい!」「CSを向上させたい!」という目的が多いですが、その他にも、「社内の風通しを良くしたい!」「人材育成・従業員のモチベーションを向上させたい!」という目的も多いです。また、本来の目的である「不正をしていないか」「法令をきちんと守っているか」というリスク対策としての目的で行われることもあります。

2-2-1.自社を調査対象とする場合

自社を調査対象として行う場合、商品やサービスの品質を評価・管理したいという目的が多いです。もちろん、品質を向上させて、CSを向上、ひいては売上も向上させたい、という事になります。また、結果を共有し、改善策を現場の従業員が一緒になって考えることにより、風通しがよくなり、改善する風土が生まれ、従業員のモチベーションや満足度(ES)が向上する、という使い方もあります。

他には、人事評価の一環として利用する、といった活用も存在します。覆面調査による店舗評価が、店長さんの給与に反映されてしまう、というと恐ろしい印象がありますが、うまく導入すれば良い循環が生まれます。もちろん、導入する際には細心の注意と工夫が必要ですので、ご注意ください。

また、リスク対策の目的で、自社を対象とした調査を行う場合もあります。例えば、携帯電話や各種保険・金融商品などの販売時に、契約内容をきちんと説明していたか、強引な勧誘・販売手法になっていないか、などをチェックし、法令の遵守・マニュアルの遵守状況を調査します。

2-2-2.他社を調査対象とする場合

他社を調査対象とする場合は、自社には無い取組みや工夫などの情報収集のために行います。競合他社の事例を参考にして自社の取組みを考える、という活用方法です。

2-2-3.自社と他社を比較する

自社と他社を同じように調査し、比較分析を行います。自社だけ・他社だけの調査と比較して、情報に厚みが出ますので、より示唆に富む結果が得られやすいです。
また、差別化のポイントを発見できたり、自社の強み・弱みの発見ができます。
他社とのベンチマークは、他にも様々な方法が取られると思いますが、覆面調査は顧客体験をベースにした比較が可能になりますので、打ち手のヒンとを多く得ることが可能です。

3.なぜ覆面調査なのか?(覆面調査が適している理由)

「覆面調査のような面倒な調査ではなく、もっと普通に調査を行えばよいではないか?」

結果が得られるならば、その通りです。しかし、覆面調査には覆面調査でなければならない理由があります。
ある店舗を調査すると仮定します。いつ、どの店舗を調査するかがわかっていたら、店舗側はなにも対策をしないでしょうか。いつもより配置人員数を増やす、ベテラン店員を増やす、朝礼時に注意喚起する、などの対応はするはずです。なによりも、従業員の気持ちが違います。このような状況で調査を行っても、その結果を信用できるはずはありません。

①普段の姿を素の状態で評価できる
調査員が誰かわからない、いつ調査されるかわからない、というのが、覆面調査のメリットです。いつ調査されたかわからないからこそ、普段どおりの接客、普段どおりの対応の評価が可能になるのです。

②状況が明確で活用しやすい
調査員が調査を行う(回答者が調査員である)点が、CS調査と異なる点です。
消費者である顧客にアンケート等で意見をもらうCS調査では、回答者が回答した理由を知ることができません。例え間違って回答したとしても、その真偽を確かめることはできません。
覆面調査の場合は、調査員が回答しますので、その時の状況や結果についての理由が説明できます。より具体的な情報となり、改善策に結び付けやすい点も、覆面調査が適している理由になるでしょう。

4.覆面調査の結果を左右する5つのポイント ~成功した調査にするために~

今まで見てきたように、覆面調査のやり方は「顧客になって体験する」という、とてもシンプルなものです。自社内でも対応可能ですし、実際に自社内で対応している企業も多く見られます。また、外部の調査会社に委託する場合も、いろいろな調査会社があってそれぞれに特徴があります。

ここでは、調査をする目的を達成するために、的確な調査結果を得るために考えた方が良いポイントを説明します。

4-1.誰が調べるのか?~調査員の選び方

調査員に必要なことは何でしょうか?

対象となる商品やサービスに関する知識はもちろん必要です。ごく一般的な商品やサービスならば、事前に調査員を教育する必要はありませんが、特殊なものの場合、知識が無いと判断できず、評価もできなくなってしまいます。そのような場合は、事前に調査員の教育が必要になってきます。

接客の場面を評価する場合は、接客についての知識や経験も必要です。これも、ごく一般的な接客を、ごく一般的に評価する場合は、特に深い知識は必要ありません。一般の消費者と同じように体験し、評価すればよいからです。しかし、知識が必要となるような評価項目がある場合には、やはり知識は必要になります。

以上のような知識の他にも、観察力・理解力・説明能力・提案能力・文章力など、評価結果を有意義なものにし、かつわかりやすく共有できるレポートにまとめるために必要な能力があります。

4-1-1.覆面調査のタイプを知ろう

タイプ 調査員 特徴
モニター型 一般人、アルバイト 安価で実施できるが、報告内容に不安
専門調査員型 プロ、専任者 高価格になるが、報告内容が充実

インターネットで「覆面調査」と検索すると、「おこづかい稼ぎ」「アルバイト」というようなページが多く出てきます。これらは、覆面調査員を募集している調査会社のページです。このような調査は「モニター型タイプ」といえます。
一般の消費者を、まさに「アルバイト」として雇い、モニター登録してもらう形式です。調査を請負った調査会社は、モニター登録された人の中から、適切な条件の人を選択し、覆面調査員になってもらいます。

もう一つの調査会社のタイプは「プロの専門調査員」を雇用しているものです。モニター型タイプと違って、知識や能力面での不安は少なくなります。

その他に、自社内の従業員が覆面調査員となるタイプ、自社が直接「アルバイト」を募集するタイプなどがあります。

4-1-2.自社内か?外部委託か?最初の判断

調査員 メリット デメリット
自社内 知識がある 露見しやすい(バレやすい)
評価の基準が明確 顧客の目線になりきれない
外部委託 顧客目線の確保 コストが高い
運営の手間がかからない 情報共有に手間がかかる

覆面調査員を、自社の従業員にすることのメリットは、自社の商品やサービスについての知識があり、評価に際して迷うことが少ない点です。業務マニュアルなどを熟知していれば、対応のどこに問題があるのかすぐに判断できるからです。
デメリットとしては、調査をしていることが露見しやすい、顧客目線(第三者目線)での評価が難しい、調査員の教育の仕組みを社内で構築する必要がある、などがあります。

特殊な商品やサービスを対象とした覆面調査で、判断基準がその会社独特のものである場合には、調査員を自社内の従業員にするメリットは大きいでしょう。
例えば、「身だしなみ」が評価項目になっている例を考えます。社内の規定で「髪の毛の色は明るすぎない、清潔感のあるもの」に指定されているとします。ある人の髪の毛の色が明るすぎるのか、許容範囲に入っているのか、自社内の従業員ならばすぐに判断できます。
しかし、その基準は社外の人からすると、境界線はどこなのか理解しにくい項目です。このような項目が多い場合は、社内の従業員が調査員になる方が効率的な調査となります。

一方で、調査員を外部の調査会社に委託する場合はどうでしょうか。メリットは、顧客目線(第三者目線)での評価が容易であり、調査員の教育などの準備作業も合わせて委託できる点です。
デメリットは、コストがかかる、社外秘情報を開示する必要がある、社内の基準を明確に伝達する手間がかかる、などです。
例えば、「髪の毛の色の許容範囲」がどこまでなのか、色見本などを使用して明確に伝達しないと、調査員によって判断基準がバラバラになってしまい、調査の意味がなくなってしまうことになります。

調査する項目や、評価の基準、かけられるコスト、社内の体制などを考慮して、自社内で行うか、外部に委託するかを判断するとよいでしょう。

4-1-3.外部委託の場合、モニター型か、専門調査員か?

モニター型は、価格が安いという特徴があります。
一方で、一般の消費者が調査員となりますので、事前の教育の重要性が高くなります。商品やサービスについての知識はもとより、評価基準の理解、求められる報告内容への理解など、多くのことを教育する必要があります。
また、複数の調査員が、同一のレベルで理解し、同一のレベルの報告書を書けるようにする必要もあります。

専門調査員の場合は、一般的に価格が高くなります。
そのかわり、知識や経験が豊富で、企業活動やビジネスに関する理解もしていますので、報告書の品質が期待できます。
また、特殊な調査内容や複雑な調査内容にも対応することが可能です。
もちろん、専門調査員でも、同一の判断基準で行うために、事前に教育は必要です。また、顧客目線の確保のために、顧客像を事前に設定し、調査員に共有しておくことも重要です。

モニター型、専門調査員型の、どちらにも長所短所があります。調査の目的に応じた、調査項目の内容、判断基準、かけられるコストなどを考慮して判断するとよいでしょう。

4-1-4.誰が調査をするかで、結果は左右される

今まで見てきたように、調査員が誰なのか自社内か、外部委託かモニター型か、専門調査員型か、を選ぶことは、結果を左右する大きなポイントです。
やりたい調査の目的や内容にあわせて判断することが大切です。

4-2.どうやって評価するのか?~評価の判断基準の重要性

評価方法には、主観的な評価と客観的な評価があります。それぞれに評価基準があり、この基準をいかに設定するかが結果の品質を大きく左右します。

4-2-1.主観的な評価

顧客目線で、体験したことを評価する方法です。
実際に体験した人間でなければわからない、微妙な気持ちの変化や印象が評価に反映されますので、改善のヒントがたくさん得られます。
ただし、管理などの目的には不向きといえます。

モニター型の場合は、調査員=一般の消費者ですので、一般の消費者として感じたままに評価します。どちらかというと、CS調査に近い結果になります。

専門調査員の場合、設定された顧客像に基づき調査を行いますので、その顧客が感じるであろうことを評価に反映させます。プロの調査員は、プロの顧客でもあり、顧客になりきるプロでもあるのです。

4-2-2.客観的な評価

多くの項目は客観的な評価を行います。
同一の判断基準で、誰が見ても同じ結果になるように設計をすることが重要です。調査員によって結果にバラつきがでてしまったら、調査そのものの信頼性が失われてしまいます。そのようなことが無いように、客観的な判断基準を設定するのです。

例えば、レストランで提供された料理の評価を例にします。
「注文から提供されるまでにかかった時間は適切だったか?」
という項目を調査する場合、ストップウォッチを使って実際の時間を計る方法があります。感覚として長い・短いと評価するよりも、客観的であるといえます。
料理の温度を温度計で調べたりすることもあります。
例に出したのは少し極端な例ですが、客観的に評価するための判断基準を設定するというのは、事前の準備がとても重要なのです。

事前の準備に手間がかかり、面倒なのですが、しっかりやっておくと結果の信頼性が高くなり、共有した時の受け入れやすさ、活用しやすさにもつながります。
調査の前に社内で共有しておけば、結果に対して反発されることもなくなり、調査された側の納得感も高まりますので、とても重要です。

4-2-3.評価の基準は明確にする

結果を受け取る現場としては、「なんとなく」評価されたものには、文句を言いたくなります。しかし、「明確な基準に照らし合わせて」評価されたものには、文句のつけようがありません。さらに、事前に評価の基準に合意していたら、すぐにでも改善に着手するでしょう。
明確な判断基準を設定して調査を行うことは、成功のためのポイントなのです

4-3.何を調べるのか?~調査項目の設定方法

調査ですので、何を調べるのか?を決めることはもちろん重要です。
しかし、なんでもかんでも調査すればよい、というわけではありません。調査項目が膨大になると、調査すること事態が難しくなりますし、なにより費用が高くなってしまいます。
必要な情報はヌケ・モレが無いように、不必要な情報はなるべくそぎ落として、適切な調査項目を設定することが調査の成功のためには必要です。

4-3-1.調査の目的を思い出そう!

覆面調査を実施しようとして色々と考えていると、そもそもの目的、どうして覆面調査を行おうとしていたのか、を忘れてしまいがちです。

誰のために、何のために調査を行うのか、をもう一度確認しなおしましょう
自社と他社の比較をして、今後の戦略に活用したいのか、従業員教育に活用し自社のサービスを向上させたいのか、それによっても、調査項目は変わってきます。
また、従業員のモチベーション低下を防止する目的で、良い面に注目してポジティブな調査にする場合と、問題を発見し改善を急ぎたい場合とでは、調査項目は変わってきます。

調査の目的を思い出し、目的に応じた調査項目にすることが重要です。

4-3-2. 適切な調査項目で、活用しやすくする

調査項目が多すぎると、調査をする側もされる側も、負担が多くなってしまいます。もちろん、コストもかかります。
それでいて、目的にあっていない調査項目は、結果的に活用されなかったりします。余計なものがあるせいで、本来の目的、活用にまで悪影響が起きてしまうのです。

適切な調査項目を設定し、より活用しやすい調査にすることは、成功のためのポイントだといえます

4-4.回答方式の設定方法~分析しやすい方法

4-4-1.○×方式か?5段階か?

回答方式 メリット デメリット
○× わかりやすい 微妙な判断はできない
5段階 微妙な判断ができる 情報量が多く分析が難しい

客観的な評価をする場合、
「できていたか、できていなかったか」
2択で回答する場合があります。○×方式です。これは、最もよく使われる方法です。結果も明快でわかりやすいメリットがあります。
しかし、明確に「×」の場合と、微妙な判定により「×」の場合でも、同じ「×」で評価は同じです。

○×の度合いまで評価に入れることは、情報量が多くなることになりますので、結果を複雑にし、より詳細な分析が必要になりますが、うまくやれば有益です。このような回答方式の例で、イメージしやすいのは5段階で評価をつけるような方式です。「とてもよくできている~全くできていない」までの間を、段階をつけて評価する方式です。

4-4-2.コメントによる回答

上記の方式の他に、コメントによる評価もあります。
この方式は、調査時の状況が詳しくわかるので現場の状況が想像しやすい方式です。
しかし、結果が数値で表現されないため、客観的な評価には不向きです。主観的な評価のときに利用されることが多い方式といえます。

調査の目的に合わせて設定した調査項目ですので、それぞれに適した回答方式があります。目的に照らし合わせて、活用しやすい回答方式を選ぶようにするとよいでしょう。

4-3-3.分析しやすさは活用しやすさにつながる

良い分析を行い、結果に皆が納得すれば、良い調査になります。より活用される調査になるわけです。
そのためには、回答方式にも気を配って、活用しやすい調査にしていくことは重要です。これも、成功のためのポイントです。

4-4.何回調べればよいのか?~1回でも信頼できる理由

覆面調査は、何回調べればよいのでしょうか?

沢山の回数を調べれば、より精度の高い結果になります。しかし、そのために必要な手間や費用は非常に高くなります。
実際には、複数回の調査を行っていることは少ないようです。ここでは、1回の調査結果でも信頼できる理由について説明します。

4-4-1.抜き打ちチェックの考え方

例えば、工場で何らかの製品を製造しているとします。
完成して箱詰めされた製品の中に、不良品が無いかどうか調査する場合、全ての箱を開けて全ての製品をチェックすることはありません。ランダムに抽出したごく一部の製品をチェックして、不良品が無いかどうかを調べます。

覆面調査の場合も同じ考え方で、ランダムに選ばれた日時で調査をした結果は、普段の姿を反映しているはずであると考えます。

4-4-2.アンケート調査の考え方

例えば、自社の顧客に対して、アンケート調査を行うことを考えます。
顧客全員にアンケートを行いますか?顧客が100万人いる場合にはどうしますか?顧客の中から、対象となる人を100人程度選んで、その人たちにアンケートを行います。
代表の100人の意見が、顧客全体の意見と同じである、という考え方です。

覆面調査の場合でも同じ考え方です。調査の対象となった従業員が少なくても、従業員全体の姿を反映しているはずだと考えます。

4-4-3.「たまたま悪い結果だった」はない

覆面調査の結果が悪いときに、よく言われるのが
「たまたまだった」
「その時は特別な事情で、普段とは異なる状況だった」
です。いわゆる、言い訳です。

しかし、顧客にとって、「たまたま」は関係ありません。その時に受けているサービスが悪ければ、結果は悪いのです。
よく言われている話しですが、「サービスは掛け算」です。たとえ、どんなに良いサービスであっても、どこかで「ゼロ」があると、結果は「ゼロ」になってしまいます。
ひとりでも、たまたまでも、悪い結果が出たのならば、その結果は動かせません

逆に、「たまたま良い結果だった」はあるかもしれません。それを防ぐには、定期的に調査を行うか、1回の調査の中での調査回数を複数回にするか、という対策が必要です。
だからといって、「やはり複数回やる必要があるのか」と悲嘆することはありません。普段から良い状態の場合には、良い結果が出る確率が高いですし、普段から悪い状態の場合には、悪い結果がでる確立が高いのですから、そこまで心配する必要は無いのではないでしょうか。

4-4-4.調査の回数は1回でも良い!

以上のように、調査の回数は1回でもよいということになります。
もちろん、調査の目的によっては、複数回の調査が絶対に必要な場合もあります。しかし、多くの場合、闇雲に回数を多くすれば良い調査になるわけではない、という事は、とても大事なポイントです。

5.より有効に活用するため~重要な心構え

ここまでで、覆面調査について大体ご理解いただけたと思います。
ここでは、実際に調査を行う際に失敗しないための重要な心構えについて、調査を行う側(管理部門のことが多い)と、調査をされる側(店舗などの現場のことが多い)の両方から説明します。

5-1.調査を行う(報告する)側の心構え

覆面調査は、「あら探し」「犯人探し」ではありません。

問題点を発見して改善しようとする気持ちが強いと、どうしても「あら探し」「犯人探し」になりがちです。そうならないためには、「良くして行きたい」という気持ちだけを忘れずに、報告する際に注意する必要があります。

事前に、調査項目の設定や評価方法(評価基準)を共有し、納得の上で実施するという仕組みを作るのも一つの解決策です。
結果の共有の際に、改善策を現場の人たちを含めてディスカッションして考え出す、というのも解決策の一つです。
社風や風土にあった共有方法を考え、全員が前向きになるようにしていく工夫が重要です。

5-2.調査される側の心構え

覆面調査では、言い訳が横行します。
「たまたまだった」は最も良くある言い訳です。
悪い結果だと言い訳をして、良い結果だと慢心して何もしない、というのでは、CS向上や売上向上につながるはずがありません。

結果が良くても悪くても、真摯に受け止め、改善に向けて努力していく必要があるのです。まずは、聞く耳を持って結果を受け止めることから始まります。

6.まとめ

以上でこの記事は終わりです。
覆面調査とは何かが理解でき、必要性や上手な活用方法のヒントとなるようにまとめましたが、実際には様々な状況が想定されますので、一概には言えない部分もとても多くあります。

自社内で実施する場合には、自社内で考えていく際にこの記事がヒントになれば幸いです。
外部機関に委託する場合には、調査設計はしてくれますが、全くの「お任せ」ではなく、特に社内での共有方法などに配慮する必要があることをご理解いただけたのではないでしょうか。

覆面調査は、色々と考えることが多く準備が大変な調査という印象を持たれたかも知れませんが、CS向上や売上向上だけでなく、ES向上も期待できる調査です。

とても有効な調査ですので、活用してみてはいかがでしょうか。

プロの専門調査員による覆面調査をお考えなら

グループ創業1965年、総合調査会社「株式会社トクチョー」が提供する「ステルス・リサーチ」は、プロの専門調査員による覆面調査・観察調査です。

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