【保存版】企業のリスクマネジメント・リスク対策に活きる外部調査

リスクヘッジ

近年、日本企業のリスク対策は大丈夫か?と不安に思わされる事件が多くみられます。銀行の不適切融資に関するニュースや、大手不動産会社が大きな被害を受けた地面師事件、アイドルグループの一連の事件も例外ではありません。また2019年には社員による情報の持ち出しや取引先からの個人への不正なバックマージンによる資金の着服なども見られ、これらの不正や事件、コンプライアンス問題などに対して、世間やマスコミの目は非常に厳しくなってきています。

そこで、本稿では特に企業が直面する社員による不正・不祥事や、企業をターゲットにしたトラブルからの、レピュテーションリスク、情報漏洩リスク、詐欺被害などに焦点を当て、こうしたリスクを未然に回避したり、低減したりするために役立つ「外部調査」(社外の力やサービスを借りた調査)について紹介します。

1.   リスクマネジメント・リスク対策には「外部調査」が有効

2019年に日本工業規格の一つであるJISQ31000が更新されたのを機に、自社のリスクマネジメントへの取り組みをアップデートしている企業も少なくないと思います。

一方で2019年に入ってからも、冒頭に挙げたような企業経営におけるリスクの発生は後を絶ちません。

リスクマネジメントやリスク対策には時系列的に
  ①まず発生させない
  ②万が一発生しても早期に発見し被害拡大を防ぐ
  ③適切な事後対応をする
事が重要ですが、ルールや規定を作り担当者を決めてモニタリングしてもなお、十分に機能しない場合があります。

従来から社外取締役や監査役をはじめとしたガバナンス、監査法人等による財務面、内外弁護士によるリーガル面などのリスク対策は一般的でしたが、冒頭にあげたような形でのレピュテーションリスクや様々な事業リスクについては、決定的なリスク対策手段が定まっていません。そのような中で、近年「外部調査」の活用による対策が見られるようになってきました。

今回はこの、企業のリスクマネジメント・リスク対策に有効な「外部調査」にはどのようなものがあるか、どのように行われるのかを中心にご紹介したいと思います。

(一般にはリスクマネジメントと言っても様々な定義がありますが、今回はJISQ31000(2019)による「リスクについて組織を指揮統制するための調整された活動」であることを念頭に、リスクマネジメントに有効な「外部調査」に重きを置いて進めます。
リスクマネジメントそのものについてのより詳細な情報は、こちらの記事をご参考ください。)

1-1. なぜリスクマネジメント・リスク対策に外部調査が有効か

ここで言う外部調査とは、例えば調査会社を使うような調査を言います。監査法人等による財務調査も「外部者による調査」ですが、従来から一般的なものなので今回は除外しています。

「外部調査」を利用することは、社外に存在するリスクに対してはその専門性を中心に社内調査だけでは知りえなかった情報が手に入るメリットがあります。また、内部不正など社内に存在するリスクに対しては、安易に自社社員に調査にあたらせると社内の人間関係に問題が生じたり、逆恨みなどから傷害事件などに発展したりするケースもあり、こうした二次的なリスクを避けるられる等のメリットがあります。

その他にも適切な調査会社を選べば、
 ・調査のプロとしての調査の視点の多様性
 ・幅や深み、スピードなどの面での情報収集力
 ・多様な手法の中から最適なものを選んでの分析力
 ・整理されたレポーティングなどの伝達力
といったものを「買う」ことができ、結果的には費用対効果に優れるなどのメリットもあり、有効です。

1-2. 外部調査でカバーできる分野

リスクに対する外部調査には多岐にわたる様々な分野がありますが、一般的に企業のリスクマネジメント、リスク対策の分野では、大きく3つに大別されます。

  1.自社の中に存在する労務管理上のリスクや派生するレピュテーションリスク
  2.通常の商取引から業務委託、下請け業者など、社外に存在する取引上のリスク
  3.新規事業や投資・M&Aの案件に存在する事業リスク

次章ではこれらのリスクについて詳しくみていくことにします。

2.   労務リスク対策としての調査

それでは、いよいよ実践的な外部調査について具体的に紹介していきます。

まずは、社内に潜む労務管理上のリスク対策です。働き方改革など労務管理は企業の大きな課題となっていますので、これに対しては以下の様な調査が有効です。

2-1.問題社員の採用回避に役立つ「採用調査」

「人材は宝なり」とはよく言われる言葉ですが、その言葉のとおり、ほとんどの人は宝そのものか宝の原石だと思います。しかし、残念ながらまれにですが、そうではない人もいます。
そうした人物をノーチェックで採用してしまうと大きなリスクとなることがあります。士気の低下や風紀の乱れなどから始まり、たった一人の社員によって企業が消滅してしまった例さえもあります。
こうしたリスクを回避するための外部調査として、採用候補者の履歴や人物像の確認のためのプロによる採用調査が有効です。

2-2.内部不正の未然防止から実態解明や証拠集めの調査(操作ログ監視/フォレンジック)

万が一、横領などの内部不正が疑われる事態となってしまった場合、その実態の解明、証拠の発見のためにフォレンジック調査やPCの操作ログ監視が有効です。
フォレンジック調査とは、デジタル鑑識とも呼ばれ、PCデータの復元・解析することを言い、その使用履歴や残されたデータから不正の証拠を探るものです。また、PCの操作ログ監視は、システム導入以降のPCの使用状況を監視するもので、電源のON/OFFから始まり各操作のログを収集・分析することで証拠を発見するものです。さらに、捜査ログ監視システムの導入では、不正の予防効果や情報セキュリティを強化する効果も期待できます。

2-3.職場問題の早期発見やリスク低減のための調査(ES調査/内部通報窓口)

職場問題や労務リスクは、発見が遅れるほど問題が拡大し、被害も大きくなる傾向にあります。結果、事後処理にかかる人的、金銭的リソースも多大なものになってしまいます。
つまり早期発見が重要になるのですが、この問題にはES(社員満足度)調査内部通報窓口の設置が大いに役立ちます。

これらを内製化している企業もありますが、課題として、例えば自社で行うES調査では、ノウハウの不足や固定観念などから、調査項目が適切でない、結果を有効に活用できていないなどがあるようです。また、内部通報窓口では多くの場合、社内の人間に対して通報することへの警戒感などから、窓口を設置しているものの有効に機能していないことが課題のようです。
これらの課題を解決するために外部に委託することも有効な手段となります。

 2-4.証拠現場を押さえるための調査(行動監視調査)

昔ながらの調査に行動監視調査というものがあります。いわゆる尾行や張り込みと言われるものです。
社内の人物が不正に絡み、社外で不審な行動をしているなどの場合、その証拠現場を押さえるための調査です。
また、社内の問題だけでなく、債権回収で給与差し押さえのため、勤務先を特定する際や、不正転売の実態解明のために店舗を張り込むような場面でも行動監視調査が実績をあげています。

3.   取引上のリスクの回避・低減のための調査

続いて、社外に潜む取引上のリスクについてみていきます。これらのリスクは複雑多岐にわたります。単に自社の取引先だけではなく、その関連企業や、取引はなくとも人間関係にもリスクが及ぶ場合もあるのでご注意ください。

3-1.倒産リスク等の回避・低減のための調査(信用調査)

リスクマネジメントの一環として、取引先の思わぬ倒産などのリスクを避けるため財務的な信用調査を実施することが一般的になってきました。
信用調査の日々のルーティンとしては、大手の信用調査会社が提供する情報を取得して確認する程度でよいかと思います。しかしながら、情報量が少ない、不審・不明な点があるなどの懸念点がある取引先の場合は、放置せず、より詳細な外部調査が必要かと思います。
一般的な信用調査で機械的に点数だけをみるのではなく、総合的なリスクの把握、検討が必要です。

3-2.レピュテーションリスク等トラブル回避のための企業や人物の調査

昨今、ネットでの炎上騒ぎや、マスコミに取りざたされてしまうなどのレピュテーションリスクが急速に高まっています。
こうしたリスクを避けるためにも、取引先や関係会社社内外の人物について懸念があれば調査を実施する必要があります。
例えば、取引先等では、コンプライアンスに違反するような事業展開をしていないか、人物であれば、過去に不祥事を起こした企業の要職者でなかったかなど、ネガティブ・トラブルに関する調査をした方がよいでしょう。

3-3.反社リスクに関する調査

企業・人物が反社会的勢力そのものではないか、あるいは反社会的勢力と密接なつながりがないかを確認する反社リスク調査も重要な項目となります。
単に反社会的勢力と言っても暴力団関連だけではなく、社会運動標榜ゴロや、最近では半グレ集団などにも注意が必要です。
これらは単にレピュテーションリスクだけではなく、取引の拒絶や銀行から融資を引き上げられてしまうなど大きな事業リスクにも発展してしまいます。
こうしたリスクを避けるために外部の調査会社を利用した詳細な調査が必要です。

4.   事業リスクに対応した調査

最後は経営判断等、事業リスクに対応した調査のご紹介です。かつては経営者の勘やセンスで事業のかじ取りをして成功を収められるケースが少なくありませんでした。
しかしながら昨今は、事業環境の流動化、複雑化が著しく、事業リスクを回避、低減するためには、信頼できる確かな情報をもっていることが重要です。

4-1.経営判断のための調査(市場調査/競合分析)

事業の拡大や新規事業への進出、撤退など、経営判断には大きなリスクがつきものです。
リスクを避けてばかりいては事業の拡大は望めませんが、無謀なリスクテイクをしていては、事業が暗礁に乗り上げてしまいます。より良い経営判断のためには、市場調査競合分析をしっかり行うことが重要です。
その際、社内調査だけでは、プロジェクトを進めなくてはならないなどのバイアスがかかってしまいますので、客観的な目で見る外部調査の活用が有効です。

4-2.投資・M&A等での各種デューデリジェンス

デューデリジェンスとは、投資やM&Aの対象となる企業等の価値やリスクなどを調査することです。M&A等での失敗事例ではデューデリジェンスに問題があるケースがあります。
そもそもデューデリジェンスが十分に行われていないケースもありますが、上記同様、主観的な要素で誤った判断をしてしまうケースもあり、やはり外部の調査会社による客観的な調査が必要となります。

4-3.自社・製品等の評判や風評の把握

レピュテーションリスクの代表格に「ネット炎上」があります。自社や自社製品について、ネット上の評判や風評を定期的にチェックすることで、炎上騒ぎを未然に防ぐことができます。
また、自社製品等の評判を知ることで、商品の改善や開発に役立てることもできます。自社でもキーボードを叩けば、ある程度の情報は収集できますが、多くの時間と労力がかかります。
さらに、担当者によって情報の質に偏りが出てしまい、重要な情報を見落とすことになりかねません。費用はかかってしまいますが、やはり外部の調査会社に任せることをお勧めします。

5.   まとめ

本稿は「企業のリスクマネジメントに活きる実践的な外部調査」というテーマで進めてきました。事案に合わせての有効な調査をイメージしていただけたものと思います。
しかし、一番重要なことは企業自身がリスクマネジメントへの意識を高め、いかにしてその体制を整えるかです。
外部から企業を見ていても、どういったリスクが潜在的、顕在的に存在しているかはなかなかわからないものです。リスクマネジメントの警報装置は企業自身でセットしていかなければならないものです。
リスクマネジメントのアンテナを高くし、懸念があればリスクを回避するために、或いは低減するために、状況に応じて外部調査を有効活用することをお勧めします。

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