販売戦略立案の意思決定を劇的に速めるソーシャルリスニング導入を解説

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各種SNSの利用拡大に伴い、マーケティング戦略の決定や風評被害対策など、企業の施策決定・意思決定において「ソーシャルリスニング」の重要性が増しています。
総務省「我が国の情報通信市場の実態と情報流通量の計量に関する調査研究結果」(SNSの拡大状況 情報通信白書)によれば、2012年にはSNS全体の利用が調査対象の4割程度であったものが、2016年には7割を超えるようになっています。

ソーシャルリスニングを上手く取り入れれば、重要な情報ツールになります。消費者の声をほぼリアルタイムに収集し、スピード感のある意思決定が可能になります。
乗り遅れてはならないですし、ひょっとしたら今からでもライバル企業に差をつけることができるかもしれません。
「ソーシャルリスニング」について確認し、どのように取り組めばよいのかを考えてみましょう。

1. 企業の意思決定に不可欠な情報となりつつある「ソーシャルリスニング」とは

ソーシャルリスニングとは、企業がSNSから消費者の声や感想を収集し、分析するマーケティング手法です。TwitterやFacebookなどに投稿されている商品やサービスの消費者の評価などをリアルタイムに取得し、企業のマーケティング戦略に活かすような情報収集のことを指します。
たとえば、「消費者のブランドイメージやニーズの調査」「広告や宣伝キャンペーンへの反響確認」といった行為がそれにあたります。

1-1. ソーシャルリスニングで得られること

ソーシャルリスニングで得られる消費者の声や感想には、消費者インサイト(消費者の奥底にある本音)が反映されているため、適切に分析することで消費者が買いたいと思えるような製品やサービスの開発につなげることができます。企業の現在のイメージを確認することもできるでしょう。このようにソーシャルリスニングで得られる消費者の情報をもとに企業活動の方向性を定め、的確な意思決定をすることができるため、近年は特にソーシャルリスニングが必要不可欠な存在になりつつあります。

1-2. 消費者の情報伝達の高速化でニーズが急拡大

ソーシャルリスニングの重要性が高くなった背景には、スマートフォンなど通信端末が普及し、情報伝達速度が著しく早くなった点が挙げられます。以前は情報発信と言えば企業が個人に対して行うのが普通で、消費者は主に企業の情報を参考に商品やサービスを購入していました。しかし、最近は個人がSNSを通じて気軽に情報発信できる時代が到来し、消費者同士で商品やサービスの評価や情報交換をしています。

SNSの普及率は、2017年に公開された総務省の情報通信白書の統計値で明確に示されています。
まず、スマートフォンの普及率は2012年の23.1%から2016年の56.8%と大幅に上昇しており、現在はさらに普及しています。また、20~30代の保有率は90%を超えており、「持っているのが当たり前」の状態です。そして、FacebookやLINE、Twitterといった有名なSNSをひとつでも利用しているユーザーは2012年の41.4%から、2016年の71.2%とスマートフォンの普及に伴って利用率が増加しています。20代の97.7%がいずれかのSNSを利用していることも報告されています。

これらを踏まえて、消費者庁が2016年に発表した「SNSに関するアンケート結果」を確認してみると、商品やサービスを購入する際に参考にする情報源として、SNSでつながりのあるユーザーの投稿・写真と回答した人が37.1%もいたと報告されています。また、知人・友人などによるSNSの投稿や写真をきっかけに商品やサービスを購入した経験がある人は全体の28.7%を占めています。こうした数字を見るだけでも、いかに消費者が同じ消費者の声に影響されているかが分かります。言い換えれば、企業が自社の商品やサービスを購入してもらうためには、消費者の声や感想を改善していかなければならないことを示しています。特にBtoCの企業は明確なデータがある以上、個人への効率的な情報発信・宣伝広告を行っていくためにもSNSを経営戦略に取り入れることが重要だということがよく分かるはずです。

1-3. トレンド遷移の激化への対応の必要性

近年はトレンドの移り変わりが激しく、企業は消費者の動向を迅速に把握し、スピード感を持って対応する必要に迫られていることもソーシャルリスニングが重要となった理由と言えます。
従来、サービスに対する消費者の意見や感想を調査するには、インタビューやアンケートなどで回答してもらう方法が主流でした。しかし、これらの手法は分析に必要な回答数を集めるまで時間がかかりますし、マーケターが消費者心理を推察するため、バイアスがかかるという問題もあります。具体的な戦略に落とし込んで意思決定をするまでの時間を考えると、現代で実施するにはスピード感に欠けると言えます。
しかし、大多数の人に利用されているSNSを活用するソーシャルリスニングは、ダイレクトな消費者の本音がインターネットを介して直接収集できます。
消費者の意見をダイレクトに収集できるだけではなく、分析に必要な回答数を迅速に収集することができるため、スピード感を持って的確な対応をとれるというメリットがあります。

1-4. 従来の手法ではマーケットのスピードに取り残される

実際に多くの企業がソーシャルリスニングを取り入れており、消費者の意見をもとに意思決定をするまでの時間を大幅に短縮しています。そのため、従来のような市場調査だけを続けている企業は、ソーシャルリスニングを積極的に行っている企業に対して、スピードの面で大きく差をつけられてしまうことが懸念されます。
SNSは商品やサービスに対する消費者の興味や感じた価値など、消費者の反響を収集しやすい情報媒体です。個人が気軽に様々な意見を投稿しており、ポジティブからネガティブまで多種多様な声が確認できます。問い合わせ窓口には寄せられないような、日常の声や本音を知ることもできるため、上手に利用すれば企業の新たな強みや問題点を発見できるでしょう。

ソーシャルリスニングを活用すれば、消費者の本音を常時把握できるようになり、商品開発・宣伝活動・サービスの改善などを迅速かつ柔軟に進めることが可能になります。そのため、SNSはこれからのマーケティングと企業の意思決定には欠かせない情報源として、ますます発展していくことでしょう。

2. 「ソーシャルリスニング」の活用法

social listening2スマートフォンの急速な普及でインターネットの活用が身近になった現代では、一定数の消費者が商品やサービスの情報収集をSNSで行っているため、ソーシャルリスニングがマーケティング調査における定番の手法のひとつとなっています。ソーシャルリスニングを企業戦略に取り入れるには、SNSの特質についてよく理解してから運用する必要があります。そして、SNS上で企業をPRしていく「攻め」、そして風評などのリスクマネジメントを行う「守り」の2つの姿勢を持って取り組むことが大切です。そんな企業戦略における攻めと守りの観点から、ソーシャルリスニングを具体的に活用していく方法についてご紹介します。

2-1. 「攻め」に使う

SNS上で企業をPRする場合、企業が発信した情報が多くの人の目に触れ、拡散される必要がありますが、公式アカウントで商品やサービスを紹介しても消費者の反応が芳しくないケースが存在します。これは企業側が考えている商品やサービスの強みが、消費者の需要と一致していないことが考えられます。
そこで、ソーシャルリスニングを活用し、消費者の求めているニーズを浮き彫りにします。そして、得られた消費者の声や感想を分析して、どういった広告が効果的かを検討します。たとえば、消臭剤を製造販売する企業がソーシャルリスニングを実施した結果、タバコの臭いまで消臭できる点を多数投稿していたことが判明したとしましょう。このケースでは「どんな臭いも消臭します!」と広告するよりも「タバコの臭いまで根こそぎ消臭!」などと広告した方が企業PRにつながる可能性が上がります。
このようにソーシャルリスニングを活用することで、消費者のニーズを捉えた広告を打つことができます。

続いて、マーケティング手法として、ソーシャルリスニングを上手に取り入れて活用したキャドバリー社の事例をご紹介しましょう。
キャドバリー社はイギリスの菓子・飲料メーカーです。ある日製品担当者が、以前に販売終了したチョコレートバーを復活させて欲しいという声が多くあることをSNS上で見つけました。
それをきっかけにソーシャルリスニングツールで顧客の声を分析し再発売したところ、見事にリバイバルヒットという成功を収めたのです。

細かなデータ分析によりヒットを勝ち取っていますが、何よりも生の声がSNS上に可視化されており、裏付けになるデータを客観的な数値に表しやすかったという点が重要なポイントです。
ヒットになるアイデアを、顧客の正直な声という説得力のある状態で社内に打ち出せるため、社内調整がしやすかったという点も見逃せません。

また、ソーシャルリスニングは施策やプロモーションの効果をリアルタイムに測定・検証できるという特徴があります。
消費者の反応やどんな話題があがっているかなどの「生のデータ」をもとに、反応を見ながら今後の施策を立案したりPR内容を柔軟に変更したりすることも可能です。

2-2. 「守り」に使う

SNSでは口コミのほかに自社やブランドに対する風評を確認できます。SNSにより多くの人が気軽に情報発信できるようになったため、風評にはより一層の注意が必要です。
風評の悪化を放置していると、企業へのバッシングが起こる炎上現象に発展する恐れがあり、あっという間に企業イメージの低下につながってしまいます。

ソーシャルリスニングは炎上の早期鎮静化や風評被害の予防対策にも活躍します。たとえば、口コミのキーワードを詳細に分析することで、企業やブランドイメージなどに対する消費者からの好感度を計測できます。
SNSではリアルタイムに消費者の反応が分かるため、ネガティブな口コミの増加を早期に察知し、素早い炎上対策を行うことが可能です。また、風評被害・炎上の火元の把握や被害拡大の抑制・沈静化のための施策を行えます。
ソーシャルリスニングで自社イメージに関係するデータの収集を行うことで、リスクマネジメントをより確実に実行できるのです。

3. ソーシャルリスニングを導入するには

導入する主な方法は、【内製化】 【データの購入】 【外部サービスの利用】が挙げられます。それぞれにメリットとデメリットがあります。会社にとって最適な方法を選べるように、特徴や要点を確認しましょう。

3-1. ツールを使って内製化する

social listening3ツールを自社で運用し、外部に頼らずソーシャルリスニングを行う方法です。
内製化するメリットは、ノウハウを蓄積できる・施策の実施と検証が自社で完結する・外部委託しない分のコストを節約できるという点です。
デメリットとしては、担当者が必要になること・上手くいくまで試行錯誤の時間と手間がかかることです。社内にITに精通する部門やSNS上でのコミュニケーションが得意な人材がいる場合におすすめできます。

運用するにはベンダーが提供するツールの導入が必要です。導入するツール例としては、ブレインパッド社が提供する「クリムゾンヘキサゴン」があります。投稿された口コミの分析のほかに、AIによる画像解析機能が備わっており、消費者も気づいていないような無意識下のニーズやインサイトを分析したり、トレンド予測など多様な機能がついています。

ほかにも、SNSの情報収集、分析、レポーティングを一度に行える株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「見える化エンジン」では、潜在ニーズの発掘などが行えます。

内製化のための専用ツールを導入するにあたっては、費用が気になるところでしょう。ツールの相場は初期費用が10万円、月額費用が15万円前後となっています。
分析データ数が多いときや情報収集したいデータ元を複数追加したいときなどは、オプションの追加で対応可能ですが、月額費用に1~2万円の追加料金が必要です。
ツールに費用をかけられない場合やテスト導入をしたい場合には、無料のソーシャルリスニングツールを利用するという方法もあります。
たとえば、Hootsuiteの無料版やお試し版、Social Mentionという無料ツールの利用が挙げられます。

 代表的なソーシャルリスニングツール比較代表的サービス一覧

ツールは製品によって料金や機能が異なるため、用意できる予算や欲しい機能などと相談して選ぶことになるでしょう。
選定するポイントは、「対応するWEBメディアの豊富さ」「風評防止のセンチメント分析、過去データの分析、インフルエンサー分析などの機能が付属しているか」といった機能面や、「費用が想定される成果に見合うか」「特徴的な便利機能があるか」といったツールごとのメリットの有無です。SNSで情報を集めて何を分析したいのかを明確にすることで、選定基準を明確にできるでしょう。
紹介したツール以外にも様々な製品があるため、比較検討して自社の目的に叶った最適なものを見つけてみましょう。

3-2. ツールベンダーのデータを購入する

ツールを販売している企業の中には、SNS分析を専門家が代行するサービスを提供しているところがあります。
サービスを利用する企業は、専門家の目で緻密に分析が行われたデータを購入する形で取得できます。データ分析をするにはビッグデータを扱わなければならないため、データ分析の経験者がいない場合は内製化は難しいと言えます。特にSNS分析を内製化できない企業や、まずは何から始めたらいいのか分からない・初めから詳しい専門家の目で見て欲しいという企業におすすめの方法です。
どのような理由にしても、分析サービスを利用すると遠回りをせずにすみます。初めから的確なデータレポートを取得でき、消費者分析による効率的な施策実行が行えます
分析データを購入できるツールベンダーの例としては、月3万円から利用できる「NetBase」のテクノスデータサイエンス・エンジニアリング社や月10万円〜で利用できる「クチコミ@係長」のホットリンク社などがあります。

3-3. 外部のプロフェッショナルサービスを利用する

ツールやデータの購入以外に、SNS分析全体のソリューションを提供するプロフェッショナルサービスを利用することも可能です。
分析するテーマの決定から始まり、情報収集と取得したデータの分析、レポート作成などを行い、企業の経営を支援します。さらに、風評被害の予防や消費者の反応のタイムリーな報告など、細やかなサポートが付属されている場合もあります。

プロフェッショナルサービスを提供する企業は、大手広告代理店の電通や大手通信系会社のNTTなどが挙げられます。
プロフェッショナルサービスはSNS分析全体を業務委託するため、月30万円以上のものもあり、費用負担が大きくなる可能性が高いことや、自社の経営・マーケティング戦略が漏れてしまうのがデメリットと言えます。

しかし、企業経営や業務に重要な情報だけを厳選して受け取ることができ、大企業独自の観点から生まれる分析レポートや業務サポートの恩恵を受けられるのは最大のメリットと言えるでしょう。

4. まとめ

ソーシャルリスニングによって消費者の日常の声が反映された情報が手に入ります。また、すぐに施策の反響を確認できるため、消費者の反応を見ながら柔軟に企業戦略の軌道修正を行えます。SNSの普及が高まっている昨今、ソーシャルリスニングの活用は企業の迅速な意思決定に重要な役割を担っていると言えるでしょう。

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